ランナーが痛めやすい場所、今回は膝の内側に痛みが出る「鵞足炎」についてです。
この「鵞足」とは、縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉が停止している膝の内側の停止部の所にあります。
探せましたか?
では、今度、これらの筋肉のスタート地点も探してみてください。
筋肉が多すぎるので
この絵でどうでしょう?
左側の絵は、右足を左側から見た図、(骨盤は恥骨で半分にカット)
右側の絵は、正面から見た右足を描いてみました。
全て骨盤に付いていますね。
それも、骨盤の前(恥骨)、後ろ(座骨)、横(腸骨)というバラバラの所からスタートしています。
これらの筋肉は膝の曲げ伸ばしだけでなく、股関節の様々な動きにも関与しています。
鵞足炎とは一般的に、
「ランニング等の繰り返し動作により、膝の内側にある靭帯と鵞足の間にある鵞足包が炎症起こしたもの。また、サッカーで蹴りだした足を減速させる時などに、内側ハムストリング(太ももの後ろの筋肉)に強い負荷がかかるために、腱周囲炎を起こしたもの。」
と言われています。
上下にバウンドするような走り方や、太ももの筋力不足も原因になりますが、鵞足炎の原因となる主要な筋肉の起始部から考えても、股関節の可動域の低下や、体幹の安定力不足というのも、かなりの原因になっています。
また、走ったり、ジャンプしたりする時に、膝が内に入りつま先が外を向く
「ニーイン・トゥーアウト」
も、鵞足炎をはじめ、シンスプリント、足底筋膜炎等の症状を引き起こします。
本来であれば足首、膝、股関節は同じ方向を向いていますが、ニーイン・トゥーアウトになると、ねじれの力が働き、過度な負担がかかります。
原因としては、以前捻挫したことがある扁平足や回内足によるアーチくずれ足首が硬く背屈(つま先立ち)制限がある股関節の可動域不足などがあげられます。
膝に痛みが出ていても、足首、股関節に原因がある場合がとても多いです。
膝は被害者という訳ですね。
上記のことを考えていくと痛いところにシップを貼ったり、テーピングをしたり、痛みのポイントだけを治療しても根本解決にならないことがわかっていただけるのではないでしょうか。
そのため、当院では、動作確認を行い、原因を探しながら、全体を診て治療しています。
ぜひご相談くださいね。